7月27日(日)江古田マーキーのコンサート

暑いですね。でもこんな暑い中であるにも関わらず、江古田マーキーは沢山のファンの方が集まりました。山梨、北海道の苫小牧など遠方からお見えの方もいらっしゃいました。

今日も、いつものとおり「大事な人だから」でスタート。第一部は、いつもの入山アキ子のイメージとは違う赤い柄が素敵な浴衣姿です。ススキのかんざしは付けておりませんが「旅の宿」をカラオケ演奏をバックにしっとりと聴かせてくれました。そしてピアノの宮澤由衣さんが登場。ここからは宮澤さんの素晴らしい伴奏で、江古田マーキーでは初めて披露される曲が2曲続きます。まずは「みちのくひとり旅」。山本譲二さん1980年の代表曲ですね。山本譲二さんは山口県下関出身。同じ山口県出身ということもありUSENでやってる山本譲二さんのラジオ番組「ジョージのぶち好きやけー!」でもごいっしょさせてもらう機会が多く、その際に『昭和オトコウタ』のCDをお見せしたら「オレの「みちのくひとり旅」がないなぁ。」と言われたので「私、ライヴで歌わせていただきます。」というお約束をして今日のお披露目となりました。もうひとり、その方のラジオに出演させていただいた際にも「僕のヒット曲が入ってないね」と言われてしまいました…。ということで、堀江淳さんの「メモリーグラス」が歌われます。この曲は、次に歌われた沢田研二さんの「時の過ぎゆくままに」のさらに後に歌われた、松山千春さんの「恋」と同じく女性の立場を歌った作品です。オリジナルも素晴らしいですが、入山アキ子が歌うと女性の立場が際立った、ちょっと未練を感じさせてくれる歌唱が素敵で、改めてメロディや歌詞の奥深さにも気づかされます。

そして最後は『昭和オトコウタ』の企画が本格的にスタートするきっかけとなった作品、新沼謙治さんの「嫁に来ないか」です。この企画に当たっては、キャンディーズを育て上げた松崎澄夫さんとともに1年半くらいかけてカラオケボックスに籠もって、400曲近い候補曲の中からテンポやキーを考えながら選曲が進められて行ったのだそうです。入山アキ子が大好きでよく歌ってた、吉幾三さんの「海峡」は、松崎さんから「歌いすぎだ」と言われて落とされてしまったそうですが、そんな感じで、様々な観点から、厳選に厳選を重ねて選ばれたのが「北の旅人」から始まる12曲だったのですね。入山アキ子の繊細な表現力と力強くも伸びやかな歌声が美しいこの曲で第一部が終わります。

第二部は「北の旅人」からスタート。CDと同じく宮澤由衣さんのピアノ演奏が入山アキ子の世界を見事に引き立てます。そして「釜山港へ帰れ」「紀淡海峡」と海の歌が続きました。「釜山港へ帰れ」は前半のしっとりと聞かせるパートに続き、後半はリズムに乗って歌われていて、違った曲の表情が楽しめる編曲になっています。これはJOYSOUNDのカラオケでも「入山アキ子バージョン」として収録されていますので、ぜひみなさんも歌ってください。続いてはちょっと古い曲。1935年に関種子さんによって歌われ、1960年に井上ひろしさんによって歌われたことでリバイバルヒットした「雨に咲く花」。そして続いて歌われたのは、なんと村下孝蔵さんの「初恋」(1983年)。村上保さんの切り絵のレコードジャケットがすぐに思い出されてしまう懐かしいヒット曲です。いやー驚きました。こんなイメージが出来上がってしまっている作品にチャレンジするとは。入山アキ子ならではの新しい世界がまた広がりましたね。

さて、そうこうしているうちにコンサートも終わりが近づいてきました。入山アキ子が語ります。

「島倉千代子さんには「人生いろいろ」があり、美空ひばりさんには「人生一路」がある。人生を歌う歌が人を元気にする。」和久井保社長は、そうおっしゃってました。そしてある日「詩が届いたから見てくれ。」と言われてそれを読んだんです。そしたら「これは私の人生みたいです、和久井社長。」と涙してしまったんです。それを見た和久井社長は笑って「よしいいぞ。入山アキ子が泣いたらこれならいけるぞ。これで大丈夫だ!」そうおっしゃいました。そしてその4日後、和久井社長は旅立たれてしまったんです。

みなさんに巡り会えて良かった、みなさんに応援していただいて心から感謝、そんな気持ちを込めて歌われた「人生七曲り」。言われてみれば「人生」と題名に入って永く親しまれている曲は多いですね。「傷だらけの人生」「人生劇場」「浪花節だよ人生は」「あゝ人生に涙あり」…。「人生七曲り」も、生きる人への応援歌として多くの人に歌い継がれていってほしいですね。

アンコールは、みなさんからのリクエストで「ザンザ岬」を力強く歌い、会場にお越しのファンの方々から、大きな拍手と声援をいただきました。素晴らしいファンの皆様と出会えたことに、そしてみなさんといっしょにこの時を過ごすことができましたことに感謝です。

次回の江古田マーキーのコンサートは11月3日です。ぜひ、足をお運び下さい。

(M.K.)